アンブシュアとは、楽器を演奏する際の口の形のことを言います。
オーボエのアンブシュアは、他の楽器にはない独特なものがあります。金管楽器の場合は唇が振動して音を出していくので、どの楽器もマウスピースに違いはあっても、アンブシュアはそこまで大きくは変わりませんが、木管楽器の場合はさまざまなしくみのものがいりまじっているのです。たとえばフルートの場合はリードという振動体はなく、歌口に対して平行に息をまっすぐ吹き込んでいき、空気の渦を作り、それによって音が出るのです。フルートのアンブシュアはやや微笑むような形で、息を出していく口の穴の形状によって音色が変化していきます。クラリネットやサックスのアンブシュアは酷似しています。 この2種類の楽器はシングルリード楽器といって、1枚のリードが振動することで音をだしていくためであることが理由です。上の歯でマウスピースを噛み、下の歯は出さず唇を巻きます。唇を巻くのは、リードを傷つけないためです。そして音を出す時には上の歯に向かって息を当てていきます。アンブシュアがゆるんでいると、マウスピースの横から息が出てしまいますので、なるべくマウスピースの形に合わせてアンブシュアも中央にむかって作っていくと良いです。
オーボエに一番近いアンブシュアをしている楽器は、やはり同じ原理で音を出していくファゴットです。ファゴットもまたオーボエと同じダブルリード族の楽器なのです。ファゴットの場合は「o」の母音を発音するように唇を真ん中にあつ めてやや唇を巻いて音を出しますが、オーボエのように意識して唇を巻く必要はほとんどありません。
そして最後にオーボエのアンブシュアとは、下唇の中心にリードの先を置き、「o」の発音をする時のように唇全体をリードに向かって縮めていきます。そして唇の赤い部分が見えない程度まで巻き込み、上あごや下あごに空気が入らぬようにしっかりとアンブシュアを固定します。その際に力が入って唇全体を横に引っ張ることのないように気を付けましょう。オーボエは息のスピードがとても必要なので、このアンブシュアをキープしていくには多少唇の周りに筋肉が必要です。演奏を長時間続けていると唇を巻きこめなくなってしまうということがあるようで、その解決法として現在雑貨店で販売されてい る小顔にするための口の筋肉を鍛える器具を使用すると効果的とも言われています。オーボエのアンブシュアは音色に直結していくので、繊細な対応が必要です。
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