リグータ社はパリのオーボエ3大メーカーの1つであり、世界で最も人気のあるオーボエブランドの1つです。リグータ社は1922年にシャルル・リグータ氏により設立され、ローランド氏へ引き継がれ、現在ではフィリップ氏と親族によって経営してきており、親子3代によってオーボエ制作を手掛けています。リグータは1935年にブリュッセルで開かれた展覧会にて最高名誉称号を受賞しています。
リグータは創業からオーボエの制作のみにかけてきた情熱のあるブランドで、1つ1つ緻密に丁寧に作られており、多くの著名なオーボエ奏者から高い評価を得ています。リグータのオーボエは初心者やブラスバンド等で演奏する学生のためのステューデントモデルからプロ向けに研究を重ねたモデルまで幅も広く、多くのユーザーからの支持も得ています。
リグータから発売されているシリーズについて、初心者に向けてロープライスでありながらも、バンドやオーケストラで演奏する際に困らないだけのキィの数をつけた「デルフィーヌ」、デルフィーヌ以上の機能性を求めつつも、さらに楽に演奏できるように研究がされており、学生でも購入できるような価格を実現した「リーク」、そしてリグータのオーボエのポリシーである「楽に演奏できること」を極めた上級モデル「エクスプレッション」、さらに上級者向けのプロフェッショナルモデルである「シンフォニー」、そして2008年から発売された「Jモデル」は発売当時非常に話題を呼びました。パリ管弦楽団やパリ・オペラ座管弦楽団のオーボエ奏者との共同研究によって完成した珠玉のモデルで、20年以上の長期間の使用を想定して設計されており、音色にこだわり高音域の音やせを減らし、現代に好まれるようなダークな響きと柔らかく甘い音色を実現しました。管の厚みを増やすことで中音域の音程がより安定するようになりました。リグータのオーボエというと、軽快なうすい音という印象が持たれやすかったところを、Jモデルはマリゴやロレーのような音色へ寄って再設計した画期的なモデルとなっています。
リグータのオーボエを愛用しているプレイヤーは、オーボエ界の巨匠も多く、ハインツホリガー、モーリスブルグがいます。リグータの特徴はソリスティックでひときわ目立つ音色でありながら、自在のきく機能性であり、表現も他社のものより豊かにすることができます。
リグータではイングリッシュホルンも製造しており、オーボエ同様高い評価を得ています。
オーボエの関連記事
木管楽器のオーボエに関する詳細を関連ごとに記事にまとめました。オーボエが持つ艶やかな音色の魅力はリードや奏法、楽器の調整など様々な要素にあります。