ファゴットってどんな楽器?
ファゴットはオーボエと同様リードという木の板を上下に組み合わせ、草笛のように音を出す木管楽器です。ファゴットとはイタリア語で薪の束という意味があり、ファゴットを分解した姿はまさに薪の束のようなのです。ファゴットはドイツ式で出来ているものを差し、ファゴットと呼ぶのはドイツ語圏とイタリア語圏で、英語圏ではバスーンと呼ばれています。英語圏でファゴットと言ってしまうと違う言葉になってしまうので、名称に大きな違いがあるのです。フランス式のものをバソンと呼び、ファゴットと比べてややシステムが複雑になっており、ファゴット奏者と比べてバソン奏者は少なくなっています。ファゴットはU字のように管が折れていて、ファゴットが考案されたばかりの時代はU字に折れていなかったので、260メートルほどの長い楽器を縦にして演奏していたとされています。現代におけるファゴットもU字状に折れていても140センチほど長さがあり、ある程度体格が成長していないと演奏することができません。
オーケストラでのファゴットは低音部を支える役割にあり、ほとんどの曲に2本かならず必要となります。吹奏楽においてはオーケストラでのファゴットの役割をバスクラリネットやバリトンサックス、チューバが担っており、必須ではありません。そのため、まだまだファゴット奏者の数は少なく、需要に対して供給がいきわたっていない状態なのです。
ファゴットにはコントラファゴ ットというファゴットよりさらに低音を出すことの出来る楽器があり、これはオーケストラ作品ではしばしば登場し、ファゴット奏者が持ちかえで演奏します。
ファゴットとコントラファゴットのリードはオーボエと同様、奏者が自作します。葦をけずり、加工していく技術が難しく、専門に学んだ者から購入する場合が多く、プロの奏者でも自作をしないこともよくあるようです。また、ファゴット奏者がまだまだ少ないことには、楽器の値段も関係しています。他の木管楽器は数万円で購入できるものもある中、ファゴットはどんなに安い場合でも数十万円はしてしまい、初心者がはじめていくには敷居が高いのです。その代わりとして、ファゴット奏者はオーケストラや吹奏楽でひっぱりだこであり、音色も 柔らかく木の温かみがあり、どの楽器ともなじみ、そして代用することのできない存在感があります。最近では安価なファゴットメーカーも出てきており、手の届きやすい楽器に近づいてきています。