声帯

声帯をよく理解するボイストレーニング講座

ボイストレーニングは実技だけではありません。声帯の構造を深く理解することで頭の中で喉がどういう風になっているときにどんな音が出るのか想像ができるようになります。歌がうまくなるためには声帯を知ることが重要です。楽器の特性を知り、ボイストレーニングの練習をしましょう。

声帯靭帯と声唇から成る声帯の構造

身体には声帯と呼ばれる器官があります。咽頭の上部にあり、開閉振動する1対のヒダによって形成されます。声を出す最も直接的な要因はこの2つのヒダの振動によるもので、息が通る時の振動を音に変えます。
声帯の内部にぎっしりと詰まった筋体は声唇と呼ばれていて、声唇を覆っている弾性膜のうちの縦に走る繊維によって形成されている声帯のふちは声帯靭帯と呼ばれています。

声帯の動き

声帯は、声唇と声帯靭帯から成りますが、この二つは別々の器官とみなさなければなりません。一緒に働いているけれどそれぞれ全く異なった仕事を受け持っているのです。声唇は単体で能動的に動きますが、声帯靭帯は受動的であり、外部からの力によって働きかけられます。
声帯の中身はいくつかの筋肉の集合体です。これを声唇と呼びます。この筋体は様々な筋束で構成されており各々の筋束はある程度の独立性と運動の自由さをもっています。
別々に緊張したり弛緩したりする事が出来るのです。筋束の働きや形の違いに従って声唇の形に変化が起こり、それにつれて両側の声帯の隙間の形も変わります。

声帯の形

声唇を形成する筋繊維の末端は、声帯靭帯の縦方向の繊維の弾性にまで達します。このことによって、声唇と声帯靭帯という二つの部分を繋げる事ができるようになっています。
このように声唇はとても複雑な緊張機構で、上下・左右・前後に声帯を引き締める事ができます。個々の筋束だけでなく、さらにその中の別々の筋繊維も独立して働くことが出来るのですから、声唇は様々な緊張状態(声帯の形)を作り出す可能性は無限にあるということです。

声帯の前後の距離を操作する甲状筋

声帯靭帯は声帯内部の声唇を広く覆っている弾性膜の縦方向の繊維によって形成されています。筋肉でできている声唇とは違って声帯靭帯は自身で働く事ができません。ただ働きかけがあった時に初めて動く事ができるのです。声帯靭帯は外からの働きかけによってグッと伸ばされた時にのみ発声機関としての重要な役割を果たす事が出来るのです。
この声帯靭帯を伸ばす作業を行うのが甲状筋です。これは咽頭の前にあり、その外側についている1対の輪状の筋肉です。この1対の筋肉が収縮すると声帯の前および後ろの付着点の間の距離が増加します。この過程によって、声帯はより長くなり、より薄くなります。
こうして声帯が薄く長く伸ばされる事により、効果的に声帯に振動が送られ、その結果、発声機関として声帯が十分な働きを行う事が出来るようになるのです。

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