ウィンナオーボエ

ウィーンフィルハーモニー交響楽団ウィンナオーボエとは、オーストリアのウィーンの近辺で使用されているオーボエで、ドイツシステムのものを改良したものです。ウィーンフィルハーモニー交響楽団が使用しているため世界中で知られていますが、世界でウィンナオーボエを製造しているメーカーは現在ヤマハのみとなっています。もとはツーレーガー社が制作をしていたところを生産中止となってしまったことから、ウィーンフィルハーモニカ交響楽団がヤマハに製作依頼をしたことによります。当時ウィンナオーボエのプレイヤーはいたものの楽器の製造できる人はおらず、ヤマハによって絶滅の危機を救われたといっても過言ではありません。ヤマハではウィンナオーボエは受注生産品であり、ヤマハであっても国内でのシェアは非常に少なく、現代で最も主流であるコンセルヴァトワール式のオーボエと比べ機能性が低いことから、オーケストラや吹奏楽などでウィンナオーボエが使われることはウィーン以外ではほとんどありません。
ウィンナオーボエの見た目の特徴は、上管の上部にこぶのようなものがあり、ベルの形もバロックオーボエのようになっています。ウィンナオーボエのリードは、コンセルヴァトワール式のものとは異なり、制作時に巻く糸の厚みで、演奏時にどれくらい楽器に差し込むか調整でき、それによって音程を変えることができます。コンセルヴァトワール式の場合はあらかじめコルクが巻いてあり、リードの差し込む度合いで音程を変えることは出来ず、その点がまず両種では違い ます。

モーツァルトファ♯が違うウィンナオーボエ
上記ではウィンナオーボエはコンセルヴァトワール式と比べて機能性が低いと述べましたが、ウィンナオーボエの場合はシステムがより簡素なので、ファ♯の音程や音色がより安定するよう設計されています。この音はコンセルヴァトワールシステムの場合、上管と下管のジョイント部分の都合でどうしても音程や音色が安定しないとされています。
ウィンナオーボエの音色は繊細で明るく、さらに運指の都合で♯の多い調の演奏に適しています。そのためモーツァルトやヨハンシュトラウスはウィンナオーボエで演奏するとより合うとされています。ウィンナオーボエの演奏シーンを身近に見る機会はやはり、ウィーンフィルハーモニー交響楽団のニューイヤーコンサートです。ヨハンシュトラウスの明るいウィンナワルツに非常にマッチしています。
ウィンナオーボエの演奏者は現在世界で200名ほどしかいないとされ、その演奏者もウィーン界隈で活躍しています。

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