オーボエの音色

セルゲイ・プロコフィエフオーボエの音色は、東洋的でどこかエキゾチックで、どの楽器にも代用できないものがあります。時としてアヒルの模倣としてセルゲイ・プロコフィエフ作曲の「ピーターと狼」で登場するほか、ベートーヴェンの交響曲第6番では鳥の模倣としても使用されています。「ピーターと狼」でのアヒルのテーマは比較的オーボエの低音域が使われており、オーボエの低音域はガァガァと鳴くアヒルのようなのです。
チャイコフスキー作曲のバレエ「白鳥の湖」では美しく水辺にたたずむ白鳥のテーマをオーボエで演奏しますが、その部分はオーボエにとって一番美しく響く中高音域を使用しています。音域が違うだけで、アヒルか白鳥か変わってしまうほど、オーボエ1つで音色が全く違うのです。
低音はしわがれた老婆のような声、またはアヒルのようなガァガァとした声に例えられ、中高音域は女性の歌声に近く、高音域は非常にヒステリックで針金のような叫び声とも捉えられる音色です。また、金管楽器ではトランペットに音色が近く、ハイトーンが難しい場合にオーボエで代用されることもあります。
また、音色はオーボエそのもののメーカーによっても変わり、マリゴ・ヤマハは丸くダークで甘い音色、リグータは少し痩せていますが繊細で細かい表現が出来、ロレーは細めで女性的な音色といった特徴の違いもあります。リードでも違いをつけることができるので、オーボエの音色は吹き手によっても変わり、他の楽器にはない自在がきくぶん繊細であると言えます。
千と千尋の神隠しオーケストラや 吹奏楽、歌謡曲でオーボエを使用するシチュエーションは、「感傷的で泣かせたい時」であることが多く、演歌などでも使用頻度が高く、美空ひばりの楽曲「川の流れのように」や、ジブリ作品「千と千尋の神隠し」や「魔女の宅急便」、「となりのトトロ」のBGMやテーマ曲でもオーボエの音色を聴くことができます。オーケストラ曲で有名な楽曲は、ブラームス作曲の交響曲第一番、グリーグ作曲のピアノ協奏曲の冒頭部分、ベートーヴェン作曲の交響曲第7番をはじめとする交響曲全般、吹奏楽作品ではアルフレッドリード作曲のアルメニアンダンスパート1、パート2をはじめとした楽曲全般で活躍していて、吹奏楽の世界でも現代では必要不可欠となっています。
オーボエの音色に時折涙してしまうのは、人の声に近いからではないかと言われています。人の声に近くも、どこかせつなく、はかないような音色であることから、心に直接訴えてくるようです。

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